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事例紹介 ~魅力ある職場づくり~ CaseReport1

2023.11.20

「えそら訪問看護ステーション」では、育児中の看護師が子育てと仕事を両立して、訪問看護の一線で活躍できるようにと子どもの成長に応じた柔軟な勤務体制をつくるなど、職場環境の整備を行いました。

その結果、子育て中の看護師の離職率はゼ口となり、産休・育休を取得した看護師も全員復職しています。その取り組みについて管理者で看護師の篠崎順さんと事務長の藤本崇さんにお話を伺いました。

△篠崎順さん(左)藤本崇さん(右)

私生活に合わせた勤務体制を選択可能

求人に応募して来られる子育て看護師の方は、非常勤を希望される方も少なくありません。その理由を伺うと、お子さんの送り迎えなど家庭のことがあるため、常勤は難しいからとおっしゃいます。それならば弊社は、仕事と家庭が両立できる環境を作ろうと考えました。

そこで、「週40時間(常勤)」と「週32時間(準常勤)」の2パターン を作り、福利厚生はどちらも全く同じにしました。さらに、準常勤はトータルで32時間勤務すればよく、例1)8時間/日×4日勤務=32時間、例2)7時間/日×4日=28時間+別日で4時間/日=合計32時間など、その人の事情に合わせて柔軟働にけるようにしています。

オンライン情報共有と直行直帰導入で、より働き方を柔軟に

△リーダー会で情報共有

コロナ禍前は、朝事務所に集まって、利用者様の情報共有などのミーテイングをしていましたが、コロナ禍後はオンラインミーテイングに切り替えました。

そして、9時前後はちょうどお子さんの送迎や家事の後片付けをしたい時間帯ということもあったので、自宅に居ながら8時から30分間のオンラインミーテイングには出てもらい、その後の1時間は自由時間としました。

現在、3チームに分かれて活動していますが、朝のミーテイングとは別に週1回60分のチーム会を行っており、そこで出た問題は各チームのリーダーが、リーダ一会で検討してチームにフィードパックするなど、情報共有は密に行っております。

家族の急な病気で病院へ…は有休とは別の「特休」で

有給休暇(以下、有休)は、緊急時に備えて残しておこうと考える人が多く、なかなか有休消化が進みませんでした。

そこで、取得日数の上限などは設けず、急な子どもの発熱など緊急時に使える「特別有給休暇制度(以下、特休)」を導入。自分自身以外が理由の突発的な場合には、遅刻早退休みになっても給与や有休が減らないようにし、有休はあくまでも自分自身のための時間=リフレッシュに使ってもらうことにしました。その結果、現在有休消化率は8~9割に向上、会社としても年1回9連休取得を推奨しており、「有休を有意義に使えるようになった」とスタッフからも評判が良いです。

また、特休の導入で気兼ねなく休めることにより、スタッフの中にも「おたがい様」という気持ちが芽生え、お互いに思いやり、助け合う様子がみられます。スタッフ間の人間関係が良くなり、それが利用者様へのサービスの質に反映されれば、すべての関わる人たちの幸せに繋がると確信しております。

スタッフのオンコール負担をできる限り減らす

利用者様は150名前後なので、看護師1人あたり約10名を担当しています。

利用者様の年齢層は20~100歳を超える方までと幅広く、疾患は腹膜透析の方が2割、精神疾患の方が2割で、残りの6割が介護やターミナルケア、褥瘡処置が必要な方になりますが、人工呼吸器を装着しているような重症度が高い方は少ないです。

その環境の中、当ステーションは「365日24時間対応」体制を取り、平日夜間と土日はオンコールにしていますが、ファーストコールは全て管理者が対応し、オンコールを担当するスタッフは1ヵ月に1回のみの当番制としています。オンコールに関しては、極力スタッフの身体的負担と精神的負担を減らす工夫をしております。結果、スタッフでの緊急出動回数は月2~3回程度になっています(ファーストコール20回/月平均に対して、訪問するのは2~3回/月平均なので、負担8~9割減を達成)。今後も看護師を増やして、その頻度を更に減らしていきます。

こうした取り組みを試行錯誤しながら行ってきた結果、おかげさまでここ1、2年は離職者がゼロになりました。それだけスタッフの満足度も向上してきているのだと思っています。利用者様からも「看護師さん、皆よくやってくれて助かるよ」 と、ありがたいお声をいただくことも増え、職場環境だけでなく顧客満足度の向上へも相乗効果が出ていると感じています。

いずれは看護師の数を50名程度に増やし、ステ―ションを大きくしつつ、地域の医療や介護に貢献していける存在になりたいですね。

スタッフの声

子どもの習い事にも付き添えて、家庭と仕事のバランスがとれています。

FSさん

開設当初からの職員です。10年のブランクがあり、最初は子どもが小さかったので非常勤で働いていましたが、準常勤の制度ができたので、今は非常勤から準常勤に切り替えて働いています。

この働き方ですと、子どもの習い事の送り迎えができますし、「家事」や「家族との時間」もしっかり作れるので、家庭と仕事のバランスがちょうどいいなと思っています。

そして、有休をとりやすい雰囲気がありますので、お友達と会ったり、できる限り自分のための時間に使うようにしています。

 

病院勤務の夜勤から解放され、かつ特別休暇があるのでとても助かっています。

YSさん

以前は常勤として病院で働いていました。転職後も常勤で勤務していましたが、現在は実家の家業を手伝うため、常勤から準常勤に変更して週4日勤務しています。

病院勤務時は夜勤もしていて、それが私自身にも家族にもとてもストレスでしたが、訪問看護には夜勤がなく(ここでは)直行直帰ができることも非常に働きやすいです。

また、前職時は子供が風邪ばかり引いて有休が無くなっていましたが、特別有給休暇制度があるので自分や家族のために有給休暇を使えるのはとてもいいですね。