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「就業意向調査アンケート」集計結果

2022.07.28

令和3年度『就業意向調査アンケート』について

東京都ナースプラザ及び東京都が看護職の再就業支援に活用する目的で、eナースセンターに登録している看護職員の方を対象として、就業意向調査アンケートを実施しました。

1.調査対象 eナースセンターに登録のある求職者のうち、東京都に就業を希望する看護職

2.調査方法 メール配信-インターネットのアンケートフォーム回収 郵送配布-郵送回収

3.内訳 23,307名(メール配信 20,775名、郵送配布2,532名)

4.調査期間 メール調査:2022年2月17日(木)~2022年3月6日(日)郵送調査:2022年2月28日(月)~2022年3月18日(金)

5.回答数4,358名(回答率18.7%)

1.年齢

回答者の年齢を分類すると、以下のとおりであった。
1番回答が多かった年代は45~49歳で839人(19.3%)、次いで50~54歳が809人(18.6%)と続き、40代・50代で全体の66%となっている。

・~24歳:22人(0.5%)
・25~29歳:208人(4.8%)
・30~34歳:275人(6.3%)
・35~39歳:400人(9.2%)
・40~44歳:671人(15.4%)
・45~49歳:839人(19.3%)
・50~54歳:809人(18.6%)
・55~59歳:578人(13.3%)
・60歳~:556人(12.8%)
総計:4,358人(100.0%)

2.就業状況

就業状況は、看護職に就業している人が3,146名(72.2%)と最も多く、看護職以外に就業している人は270名(6.2%)、未就業の人は942名(21.6%)となっている。

・就業中(看護職):3,146人(72.2%)
・就業中(看護職以外):270人(6.2%)
・未就業:942人(21.6%)
総計:4,358人(100.0%)

3.仕事探しの活動状況

問2で未就業と回答した942名のうち、就職活動の予定がない人は173名(18.4%)であった。
就職活動中・検討中と回答した731名の活動状況は、看護職での就職を検討している人が526名(55.8%)と最も多く、職種を問わず検討している人は205名(21.8%)、看護職以外で検討している人は38名(4.0%)、となっている。

・就職活動中・検討中(看護職):526人(55.8%)
・就職活動中・検討中(職種を問わず):205人(21.8%)
・就職活動中・検討中(看護職以外):38人(4.0%)
・就職活動の予定なし:173人(18.4%)
総計:942人(100.0%)

4.就業予定時期、活動開始時期

問3で看護職または職種を問わず就職活動中・検討中と回答した731名に、就業予定時期(活動開始時期)を訪ねた結果を図表4に示す。1ヵ月後が245名(33.5%)、3ヵ月後が166名(22.7%)となっている。

・1ヶ月後:245人(33.5%)
・3ヶ月後:166人(22.7%)
・半年後:68人(9.3%)
・1年後:33人(4.5%)
・2年後:9人(1.2%)
・未定:210人(28.7%)
総計:731人(100.0%)

5.就職活動の予定がない理由・看護職として就職しない理由(上位2つ)

問2で就業中(看護職以外)と回答した270名、問3で就職活動中・検討中(看護職以外)と回答した38名、就職活動の予定なしと回答した173名の計481名が、就職活動の予定がないとした理由で一番多かったのが「看護の知識・技術に不安があるから」が107件(22.2%)、次いで「育児又は介護に専念したいから81件(16.8%)」、「看護以外でやりたい仕事があるから80件(16.6%)」となっている。
傾向をつかむため年代別にまとめたところ、20代では「看護以外でやりたい仕事がある」が第1位で、30代では、「育児又は介護に専念したいから」、40代以降は「看護の知識・技術に不安があるから」が上位となる。

若年層では、現実とのギャップ感や他業種への興味、30代~40代に入ると、育児や介護など、生活環境の変化に起因する理由が多くなり、40代以降は、離職期間や経験年数、加齢による身体的・機能的な衰えなどに起因する、知識・技術に不安があることを理由にする傾向がみられる。

6.離職期間

問2で就業中(看護職以外)と回答した270名、未就業と回答した942名の計1,212名に離職期間を訪ねた。看護職としての離職期間で一番多かったのが1年未満で336名(27.7%)、次に多かったのが1年~3年未満で257名(21.2%)となっている。

この傾向は、ほぼ全年代共通であるが、40代のみ、5年から10年未満の離職期間が2位となっている。
出産、育児、家事などを理由に、離職期間が長くなるのではないかと推測される。

7.通算就業期間(保・助・看・准看護師すべての職歴の合計)

問2で就業中(看護職以外)と回答した270名、未就業と回答した942名の計1,212名に離職期間を訪ねた。看護職としての離職期間で一番多かったのが1年未満で336名(27.7%)、次に多かったのが1年~3年未満で257名(21.2%)となっている。

この傾向は、ほぼ全年代共通であるが、40代のみ、5年から10年未満の離職期間が2位となっている。
出産、育児、家事などを理由に、離職期間が長くなるのではないかと推測される。

8.就業に当たって重要視すること(欠かせないこと)(上位3つ)

看護職として再就業または転職する場合、就業に当たって重要視すること(欠かせないこと)は、「職場の雰囲気」と答えた人が最も多く2,016件(46.3%)、次に多かったのが「給与」の1,912件(43.9%、その次に多かったのは「勤務時間」で1,698件(39%)となっている。

この順位は、ほぼ全年代で共通であるが、年代の上昇とともに「通勤時間」「勤務時間」の占める割合が増える傾向にある。

9.希望雇用形態

看護職として再就業または転職する場合、希望する雇用形態は常勤(雇用期間の定めなし)が2,092名(48.1%)、非常勤(雇用期間の定めあり)が1,829名(42.0%)、イベント救助などの臨時雇用(雇用期間1ヵ月未満)が433名(9.9%)となっている。

・常勤(雇用期間の定めなし)2,092名(48.1%)
・非常勤(雇用期間の定めあり)1,829名(42.0%)
・臨時雇用(雇用期間1か月未満)433名(9.9%)
総計4,354名(100.0%)

年代で見ると、20代では、常勤希望が7割を超え、60代以上では、6割が非常勤を希望している。
問5に回答した60代以上の自由記載回答欄(その他)には、体力、年齢、介護、高齢、衰えといった理由(キーワード)が挙げられていることから、無理のない範囲で働きたいという表れではないかと推測される。

10.希望勤務(日数・時間・時間帯)

希望勤務日数
1週間あたりの通勤日数(希望)で一番多かったのが5日で1881名(43.2%)、次に多かったのが4日で1111名(25.5%)、次に多かったのは3日で897名(20.6%)となっている。

希望勤務時間
1日の実働時間(希望)で一番多かったのが6時間~8時間未満で2,715名(62.4%)、次に多かったのが4時間~6時間未満で831名(19.1%)となっている。

希望勤務時間帯
1日の勤務時間帯(希望)で一番多かったのは日中のみで3,254名(74.8%)、日中・夜間問わずいずれも可と答えた人は714名(16.4%)となっている。

11.希望施設種別(上位3つ)

看護職として再就業または転職する場合、希望する施設種別で一番多かったのは「無床診療所」で1,629件(37.4%)、次に多かったのは「行政機関(保健所、地域包括支援センター等)」で1,116件(25.6%)、その次に多かったのは「デイサービス、デイケアサービス」で949件(21.8%)となっている。

年代別に傾向を見てみると、診療所・行政機関は、全年代共通で割合が高い。年齢を重ねるごとに診療所の割合が高くなり、あわせてデイサービス・デイケアセンターへの希望割合も増加傾向にある。どちらも日勤が主体の職場であることから、家庭と仕事の両立をしたいとの希望の現れではないかと推測される。

12.希望施設を選んだ理由(上位3つ)

希望する施設を選んだ理由は、「自分の経験を活用できる」が一番多く2,516件(57.7%)、次に多かったのは「興味のある分野、施設である」で2,082件(47.8%)、その次に多いのが「夜勤がない」で1,613件(37%)となっている。

30~40代は、子育てとの両立の割合が高く、ワークライフバランスを重要視していることがうかがえる。年代別に見てみると、「興味のある分野、施設である」は全年代で上位選択項目であるが、30代を境に「自分の経験を活用できる」と入れ替わる。

20~30代では、「新たな経験を積める」ことも選択理由の上位であることから、看護師としての基礎を作り、能力を高め、30代以降、看護師として成長した後は、新たな経験を積み、キャリアアップを図るより、ワークライフバランスを重視し、自身の経験分野で能力を発揮できる職場での就業を希望していると推測される。

また、夜勤がないことは全年代で上位項目であり、夜勤が大きな負担になっていることがうかがえる。

13.求人施設へ応募する前に確認したいこと(上位3つ)

看護職として再就業または転職する場合、求人施設へ応募する前に確認したいことは、「具体的な業務内容」が最も多く2,642件(60.6%)、次いで「入職後のフォロー体制」1,340件(30.7%)、「看護職員の背景」1,334件(30.6%)となっている

ホームページや求人情報媒体には、給与や勤務形態だけではなく、具体的な業務内容や職員構成などを記載することで、働き方・職場がイメージしやすくなり、効率良く採用活動をする上でも重要なことと思われる。

14.情報収集の媒体(上位3つ)

就職活動に関するセミナーやイベントを探すための媒体は「eナースセンター」と答えた人が一番多く2,964件(68%)、次いで人材派遣会社が1,703件(39.1%)、その次に「ハローワーク」で1,607件(36.9%)となっている。

年代別では、20~40代にかけては、人材派遣会社の割合が高いが、40代ごろから東京都ナースプラザやハローワークの割合が高くなる傾向にある。

後述するナースプラザを利用する理由(問17)を年代別に見てみると、年代の上昇とともに「看護職が対応してくれる」「きめ細やかなサポートがある」の割合が増える傾向にある。

一般的にミドル・シニア層の就職は厳しいといわれており、売り手市場といわれる看護職であっても状況は同じではないかと推測される。厳しい環境下で仕事探しをされている方にとって、東京都ナースプラザ(ナースバンク東京・立川)のように、相談員の全員が看護職で、知識・経験も豊富であり、アドバイスを求めたりすることができるのは大きなメリットになっていると思われる。

15.よく利用するSNS(上位3つ)

よく利用するSNSで一番多かったのは「LINE」で3,636件(83.4%)、次に多かったのは「YouTube」1,663件(38.2%)「Instagram」1,586件(36.4%)となっている。

16.東京都ナースプラザ(ナースバンク東京・立川)利用の有無

東京都ナースプラザを利用したことがあるか?に関しては「利用したことがある」が2,404名(55.39%)、「利用したことがない」が1,936名(44.61%)となっている。

・利用したことがある:2,404名(55.39%)
・利用したことがない」:1,936名(44.61%)
総計:4,340名(100.0%)

17.東京都ナースプラザを利用する理由(上位2つ)

東京都ナースプラザを利用している理由で一番多かったのは「無料で利用できる」で1,792件(74.5%)、次いで多かったのは「看護職が対応してくれる」で705件(29.3%)となっている。

18.東京都ナースプラザを利用しない理由(上位2つ)

東京都ナースプラザを利用しない理由で一番多かったのは「所在地が不便」688件(35.5%)、次いで「希望条件に近い施設がない」で559件(28.9%)となっている。

調査結果の見方

・特に記載がない場合は、令和4年2月1日現在の回答である。

・設問中に特に指示がない限り、回答は1つである。

・複数回答の設問は、全ての比率の合計が100%を超える場合がある。

・百分比は回答者数(該当設問においては該当者数)を100%として算出し、表の数値は小数点以下第2位を四捨五入している。そのため、比率の合計が必ずしも100%にならない場合がある。

・無回答の設問は未回答として集計している。

参考情報

就業意向調査アンケートから見えてきた『看護職の求めるもの、重要視するもの』